
撰者:板倉 敏之 (翻訳), 佐藤 茂樹 (翻訳), 浜田 恂子 (翻訳), 藤原 怜子 (翻訳)
新しく来た継母が二人姉妹の姉だけをかわいがり、果ては姉をたぶらかして妹を殺そうとする「ふたりの子を持つ女の美しい話」他全14編
ずいぶん昔からグリム童話が好きで、6-7年前発刊された初版グリム童話集も刊行当時に全冊集めて持っている。
今回の童話集は、近所の図書館で見つけて借りたもの。グリム兄弟と同時期に、民衆に口伝される民話や御伽噺を編纂していた人びとの物語集からピックアップされてまとめられている。
グリムの集めた話とは趣きの異なるものが複数入っているし、後でグリム兄弟の童話集に含められたものもあった。おもしろかったのは、この本のタイトルにもなった、もうひとりのグリム、アルベルト・ルードヴィヒ・グリムとグリム兄弟の因縁話。グリム兄弟が童話集を出す少し前に彼の本が出て、しかも売れたものだからグリム兄弟の本の売れ行きが悪くてライバル心を燃やされていたらしい。今も昔も売るための手段がいろいろと必要だったところはあまり変わらないんだね。人物像としてのグリム兄弟に興味を持ったことはなかったが、そのエピソードにはちょっと興味をそそられた。
それにしても、ヨーロッパの民話はどうしてこんなに都合よく幸せになれたり不幸せになったりできるのか?しかも、流血も多い。日本の民話で、人が八つ裂きにされる話は結構少ないと思うんだけど…。
ちなみに、この本はすでに絶版になっているらしい。
図書館などにはあるようだけど、あー、自分の手元にもほしいなぁ。
古本屋かのう…。
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